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時代小説うまいもの歳時記 蕎麦「二八論議」

蕎麦
蕎麦を食べる習慣は古代時代からの伝統をもつが、江戸時代以前は、そば粉に水を加えて団子状にした蕎麦がきに汁をつけて食べるのが主流であった。江戸幕府が成立してまもない17世紀中ごろ、繋ぎに小麦粉を使う製法が伝来し、細く切った麺をつゆに浸して食べるそば切り、現在のざる蕎麦が生まれた。18世紀の中ごろには、蕎麦を入れた丼につゆをかけるぶっかけ蕎麦が手軽さもあって人気を博し、寛政年間には、掛け蕎麦の名称が定着していた。蕎麦の値段といえば、1664年以来、「二八」の語原とも言われる16文が相場。幕末の物価高騰により24文になる。それでも「三八そば」の呼称は現れていない。(朝日新聞解説文 市川寛明より)
「まったく、みんなして同じことを抜しァがる。いいかえ彦さん、二八蕎麦てえのは二八が16じゃあねんだ。蕎麦が八分にうどん粉が二分、うめいころあいの二八蕎麦てぇことだ。値上げはしかたあるめぇ、文句なら公方様に言ってくんな」浅田次郎「憑神」より
by binjichan | 2007-12-03 12:10 | 小説の周辺
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