オールマイティ時代小説作家・藤沢周平の江戸市井譚シリーズ。ここでも作者の小説つくりの巧さを感じる。
このシリーズの主人公青年獄医の立花登は、小伝場町の牢獄に務めている関係から、獄舎内に泊まったり、叔父の住まいに帰ったりして、町医の叔父を手伝ったりしている。 この叔父夫婦の家庭を描くホームドラマのような面が、浮き彫りになっている。しかし、私は、これを背景にしながら、獄医ならではの立場から働く勘により、主人公が冤罪を解決したり、牢人からの情報により犯罪を未然に防いだりして、現代社会の司法の手助けをしている面に、その面白さを感じるのである。 この「人間の檻」では6話の中篇からなっている。それぞれ面白く読んだのであるが、話の内容が、暫くすると記憶に残っていないのは、なぜなのであろうか。シリーズ物の特徴かも知れないと最近思うようになった。
by binjichan
| 2007-09-10 20:42
| 読んだ本の寸評
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