武士の本懐 細谷正充・編 ベスト時代文庫

そうそうたる時代小説作家の武士道小説短編の傑作集である。

武士という階級がなくなって、明治・大正・昭和・平成と時は経たが、武士道の示す生き方に心惹かれる人は多い。人間いかに生きるかの命題がその中に存在しているからであろうか。主に奉ずるために命を絶っても、家系家族を継続させる大きなモラルが武士社会に存在していたからであろうか。終身雇用制の日本の会社組織にもその美徳が引き継がれたように思う。今、その体制も国際競争の波にのまれ変貌した。家族に対する考えもそれと共に変わりつつあるように思えてならない。

武士の紋章 池波正太郎 「歴史読本」1967年6月号
備前名弓伝 山本周五郎 「講談雑誌」1946年5月号
国戸団左衛門の切腹 五味康祐 「週刊朝日別冊」1960年5月号
日本の美しき侍 中山義秀 「別冊文芸春秋」1952年11月号
男は多門伝八郎 中村彰彦 「小説NON]1993年12月号
残された男 安倍龍太郎   「オール読物」1993年1月号
武道伝来記 海音寺潮五郎 「日の出」1936年3月号
権平けんかのこと 滝口康彦 「小説CLUB]1972年6月号
一遍ごとに十分楽しめた作品集である。これからも心の片隅に武士道をおいて、生きたいと思うこのごろである。
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by binjichan | 2008-02-11 12:07 | 読んだ本の寸評
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