ご隠居忍法 唐船番 高橋義夫 中公文庫

ご隠居忍法の第四弾である。多分この作者の唯一のシリーズ長編である。この作者は平成四年に「狼奉行」で第106回の直木賞を受賞している。千葉県の船橋市生まれであるが、還暦近くになるとよくある田舎志向の作者のようである。
田舎暮らしを探求する読物も書いている。
主人公は奥州の寒村に暮らす伊賀者の子孫で、お庭番の役をとかれて隠居暮らしをしている鹿間狸斎である。江戸の仲間から旧知の人物のある符号をみせられ、死んだと届けられているその人物のその後を確認するため、隠居仲間の新野耕民とともに、北に向かう。
唐船番とは、公儀から派遣され隠密に「抜け荷」を暴く役どころであるが、この唐船番が仕組んだ掌に乗せられ旅をしているとは、最後の最後まできずかず、探索の旅を続ける。
元伊賀者お庭番の主人公は、老いても多様な武術を屈指して蜜命の確信に迫っていく。
心の動きや内面の描写がすくないので、心打たれる作品というよりも、筋書きをおっていく活劇物といえる。
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by binjichan | 2008-02-06 17:55 | 読んだ本の寸評
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