戦国武将 リーダーたちの戦略と決断 白石一郎 文春文庫

著者は、62年に「海狼伝」で97回直木賞を受賞、平成四年には「戦鬼たちの海」で柴田錬三郎賞、同11年に「怒涛のごとく」で吉川英治文学賞を受賞している。海洋ものを得意として、有名になっても福岡に居住し続けていたので、印象深い。
本書は、19編からなる戦国武将に関する随筆集であるのだが、新たな資料から戦国の世の武将たちを考察していて興味深い。それぞれの武将の時代が、分かりやすく簡潔に背景として描き出されているので、歴史のポイントがよく理解できる一方、人物の特徴が語られている。今までのイメージと異なる点を歴史資料から引き出そうとする意図が感じられて、面白い。
秀吉の人間管理では、その巧みさと一代で最高峰に上り詰めたゆえの管理上の欠陥が浮き彫りにされている。
竹中半兵衛と黒田官兵衛との知将の比較。武田信玄と上杉謙信の違い。権謀術数に長けた毛利元就など歴史を身近に感じさせてくれる。19編の中でも新たな視点で黒衣の宰相・崇伝と天海を比較した世界は、武将の裏側から見た宗教の大物の側面が理解でき新鮮な知識と感覚を与えられたようである。
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by binjichan | 2008-01-22 16:11 | 読んだ本の寸評
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