風車の浜吉・捕物綴「月夜駕籠」伊藤桂一 新潮文庫

歴史時代小説100選に選ばれている「病たる秘剣」の「隠し金の絵図」に続き観光された続編シリーズである。
捕物小説は、「半七捕物帳」から始まりこの風車の浜吉・捕物綴」までに百数十名の作家により刊行されている。
この主人公、風車の浜吉は、苦労人ゆえに人情にもろく、法や掟だけで物事を考えないところが特徴といえる。浜吉は江戸で一・ニといわれた十手持ちであったが、追い詰めてお縄にしようと思った相手から金をもらって見逃したため、法を犯して罪を問われ五年の間諸国を流浪する羽目になった。それも長患いの女房と子供の病気が重なり、魔がさしたのだ。その女房も子供も死んでしまい、何のために掠め取った金かと空しくなり、江戸を出て諸国を流浪したのである。あるとき天竜川の護岸工事をしているとき、みちのく生まれの男から、竹の風車の作り方を教えてもらった。江戸に戻るとこの風車を小石川伝通院の境内で売り、社寺でにぎあう行事があると出向いていく。ある日、伝通院でその風車を懐かしそうに手にとり、あなたは気仙あたりの人かと尋ねた女性が、子持ちの後家で、お時という。親しくなり浜吉の女房になる。お時は笹屋という小料理屋で働いている。浜吉親分は、犯人を捕らえるよりも捕らえた犯人の罪をどう軽くしてやるかをいつも腐心している人情家で、「天網恢恢疎にして漏らさず」が口癖で、この言葉が
絵解き説明のときの重要な小道具になっている。
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by binjichan | 2007-12-05 21:54 | 読んだ本の寸評
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