王城の護衛者 司馬遼太郎 講談社文庫

この文庫本には、「王城の護衛者」「加茂の水」「鬼謀の人」「英雄児」「人斬り以蔵」の5編の中篇が収められている。何れも幕末の変革期に登場した五人の人物像である。
京都守護職を押し付けられた合図藩主、松平容保。「加茂の水」では、公家の策謀家岩倉具視の懐刀として、密勅の起草や方策立案に携わった玉松操。
「鬼謀の人」では、「花神」でおなじみの軍事天才、大村益次郎。更に北越戦争の抵抗の要であった長岡藩の河井継之助。五人目が人斬りの異名を取った土佐の足軽、岡田以蔵の五人である。
幕末の風雲をそれぞれ特異な才能と性格でその時代を全うした人物である。
作者の筆になると、この人物たちが身近に存在しているかのように、活き活きと全体像を鮮明に表現されるのは、どうしてなのであろうか。つい続けて読み終えてしまう面白さが、人物表現にのみ捉われず、歴史の背景にうきぼりされて、高い位置から書かれているからであろうか。
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by binjichan | 2007-09-04 22:46 | 読んだ本の寸評
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