「鬼道の女王 卑弥呼」 黒岩重吾作 上下 文春文庫

この作者の古代小説を「聖徳太子」「落日の王子」蘇我入鹿と読んできて、この時代の極少量の資料を基に想像力豊かに小説にしてきた作者の力量に魅せられたので、数百年さらに遡った時代の小説を読むことにした。史実を追及しようとするのではなく、想像力をはたらかして物語にしている姿勢に気安さを感じながら古代のロマンを伝えてくれるからである。
「魏志倭人伝」に伝えられる邪馬台国の女王卑弥呼をどのように描き出されるのか、興味深い。
本書は、「別冊文芸春秋」の1992年から1996年夏季号にかけて連載されたもの。

上巻を読み終わったので、ここまでのあらすじを記しておく。(07・5・6)
宦官たちが権力を握る中国の後漢時代、西暦172年、中国の杭州湾岸に住む倭人集団の長たちが、海を眺めているところからこのロマンは展開する。
倭人集団の長ミコトたちが、反乱の続く中国から逃れ祖国へ戻るため後漢の船を奪い、黒潮にのって九州を目指す。苦労の末、有明海から筑後川に入りミコトはヤマト国の王となる。その娘ヒメミコの予知能力の助けを借り、ミコトは北部九州の小国家連合を目指す。ヒメミコの宣託と予言が大いに当たり、いつの間にかヒミコとよばれるようになる。そして、父ミコトの死後、北部九州連合国の女王となる。
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by binjichan | 2007-05-05 18:26 | 今読んでいる本
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