2002年の直木賞受賞作である。
亡き藩主への忠誠を示す「追腹」を家老から密かに禁じられ、いき続けざるを得なくなった初老の武士が周囲の冷たい視線や嫁いだ娘からの義絶に耐えながら生きていくとき、息子の決意の行動・・・惑乱と苦悩の果て、失意のそこから這い上がる人間の強さを格調高く描いて感動を呼んだ作。(縄田一男氏解説) 著者は1953年東京生まれ。96年「霧の橋」で時代小説大賞、2001年「五年の梅」で山本周五郎賞、翌年第127回直木賞を受賞。 主人公の又右衛門は生きれば生きるほど恥辱にまみれ、醜態をさらす日々が続くのだが、さて、いかように生き抜くのであろうか・・・・・ ほかに「安穏河原」「早梅記」が同書に収録されている。(文春文庫)
by binjichan
| 2007-03-31 17:56
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